新型コロナ禍が急に勃発した為、必要に迫られて【テレワーク勤務】を導入した会社が多数に及びました。そして、そのような背景であった為、社内的に法的整備がなされていないまま実施されているのも散見されます。
そこで、今後のことも踏まえて「テレワークを導入した会社」が注意すべき点をご紹介したいと思います。
目次
新型コロナによるテレワーク普及
「(就労者)経験した働き方とテレワークの実施状況」(内閣府:令和2年6月21日)の調査結果によると、下記①~④のような形でテレワークを実施しているのが、全国で34.6%が導入実施しているとのことです。
①100%テレワークで勤務
②テレワーク中心(50%以上)で、定期的に出勤を併用
③出勤中心(50%以上)で、定期的にテレワークを併用
④基本的に出勤で、不定期にテレワークを併用
一番多いのが②の「テレワーク中心(50%以上)で、定期的に出勤を併用」のパターンのようです。
把握しておきたい就業規則で規定すべき事項
まずテレワークで業務遂行するにあたり確認しておかないといけないことは、『就業規則で、「テレワーク勤務に関する規定」がなく、「従業員との個別の合意」もなければ、会社が従業員にテレワーク勤務を行わせることができない』ということです。
【テレワーク勤務】に関して就業規則等で定めておくべき事項
【テレワーク勤務】を実施する際に定めるべき事項が複数である為、ここでは事項を紹介に留めて、各々の説明は別に機会にしたいと思います。
1)テレワーク勤務の実施目的
2)勤務形態(在宅勤務、モバイル勤務、サテライトオフィス勤務)
3)適用対象者
4)申請、許可手続き
5)就労場所
6)テレワーク勤務に適用する労働時間制
7)休憩時間
8)テレワーク勤務時の服務規律
9)情報通信機器に関する事項
10)通信費、事務用品等の費用負担
11)情報漏えいの防止
12)テレワーク勤務時の連絡体制
13)テレワーク勤務を行なう社員の教育、研修に関する事項
14)安全衛生に関する事項
上記事項について、就業規則の本則に追加等することもできますが、「テレワーク勤務規程」として定めることもできます。
今後のコロナ禍の状況にもよりますが、コロナ禍がおさまって、以前のような勤務形態に戻ることを想定する場合、また【テレワーク勤務】規程以外に見直しが必要な場合は、「テレワーク勤務規程」で定めた方が良いと思われます。
種々の雇用型テレワークガイドラインを抑える
就業規則で「テレワーク勤務規定」を定める場合、政府が【テレワーク勤務】についてのガイドラインを出しているので把握しておく必要があります。よって、下記にご紹介します。
1、「情報通信技術を利用した事業場外勤務の適切な導入及び実施のためのガイドライン」(雇用型テレワークガイドライン):厚生労働省
⇒ 「就業規則の見直し」「テレワーク勤務規程の作成」の際に参考にして下さい。
2、「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドラインについて」:厚生労働省
⇒ テレワーク勤務(在宅勤務)時の作業環境整備についてのガイドラインです。
3、「テレワークセキュリティガイドライン」:総務省
⇒ 【テレワーク勤務】につきものの「情報セキュリティ」について、経営者、システム管理者、そしてテレワーク勤務者が各々守らないといけないガイドラインを明示しています。
ま と め
今回は、簡単な情報の紹介となってしまいましたが、次回以降はもう少し詳しい説明をしていきたいと考えています。コロナ禍という状況下ですが、法整備もしっかり行って、不用意なトラブルを回避したいものです。
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