『其の戦いを用うるや、勝つことを貴ぶ。久しければ則ち兵を鈍らせ鋭を挫く。城を攻むれば則ち力屈き、久しく師を暴さば、則ち国用足らず。夫れ、兵を鈍らせ鋭を挫き、力を屈くし貨を殫くせば、則ち諸侯其の弊に乗じて起こる。智者有りと雖も、其の後を善くすること能わず。』
『故に、兵は拙速を聞くも、未だ巧久なるを賭ざるなり。夫れ兵久しくして国を利する者は、未だ有らざるなり。故に尽く用兵の害を知らざる者は、則ち尽く用兵の利をも知ること能わざるなり。』
『智将は務めて敵に食む。敵の一鍾を食むは、吾が二十鍾に当る。』
敵を思うままに誘導しながら、自社がいかに有利な立場に立てるか?
『敵を殺す者は怒なり。敵の貨を取る者は利なり。故に車戦に車十乗已上を得れば、其の先に得たる者を賞し、而して其の旌旗を更め、車は雑えて之に乗らしめ、卒は善くして之を養わしむ。是れを敵に勝ちて強を益すと謂う。』
『故に、兵は勝つことを貴び、久しきを貴ばず。故に兵を知る将は、民の司命、国家安危の主なり。』
《孫子の兵法》