前回の記事で、法律改正により「残業時間」や「残業時間と休日労働」の上限時間を設けられましたとお伝えしました。
勿論、法律なので守らなければなりません。
目次
上限時間を超えることができる場合がある?
あくまでも、残業時間の上限を『臨時』的な意味合い一時的に延長ができる場合があります。
それが『36協定の特別条項』です。
勿論、野放図にできるものではありません。
特別条項で守るべき注意事項
1、『特別条項』を利用する具体的な理由が必要
36協定を締結する際に『特定の場合には、時間外労働の上限を超える』ことができることを具体的な理由が必要です。
『特定の場合』とは、繁忙期や納期切迫、大規模なクレームに対応等特別の事情が予想される場合です。
今回の改正に伴う書式変更を見ると、①特別条項を適用する「業務の種類」ごとに「具体的な理由」を記載する欄が設けられ、②裏面の記載心得にも「業務の区分を細分化することにより当該業務の範囲を明確にしなければならない」と注記がされていることから、今まで以上に「より具体的である」必要を伺えます。
2、認められない場合とは
そのことを鑑みると「特別条項を決めて残業時間の枠を広くした方が安心」等『特別の事情が予想』されない場合は、特別条項を利用することはできないと判断すべきでしょう。
よって、下記の場合は認められない可能性があります。
ⅰ)(特に理由を限定しないで)業務上の都合で必要なとき
ⅱ)(特に理由を限定しないで)業務上やむを得ないとき
ⅲ)(特に理由を限定しないで)業務が繁忙なとき
ⅳ)会社が必要と判断したとき
まとめ
私の個人的な見解ですが、今後は、より一層自分らしく働ける職場環境作りが求められて来ると思います。
そうなると生産性もぐ~んと上がるだろうし、そのようなデータもあります。
内部管理的に従業員の労働時間を管理することも必要ではありますが、先程のような職場環境にどうしたらなるのかの方にもっと気持ちも時間を割いて考えることが普通になるように、微力ながら尽力したいと思っています。
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【補足説明】
1)以前は36協定の書式は1種類しかなかったのですが、今や7種類(様式9号~様式9号の7)あるようですね。どうしても複雑になって来てしまいますね。
そして、今回ご紹介する『特別条項』については「様式9号の2」となります。
2)「特別条項が適用される労働者に対する健康確保措置(医師との面談や臨時の健康診断等)」を設けることが必要となっているので、従業員の健康への配慮は必要です。