【差別化(流通チャンネル)】:ランチェスター戦略

『流通チャンネルの差別化を考える場合、第一の課題は、「直接販売」でいくか「間接販売」でいくかという問題である。

(中略)

商売の経験則は、直接比率(直接販売と間接販売の比率)を5対5にしておくことが景気の波をまともに受けない秘訣であると教えている。

(中略)

強者の間接販売に対して、直接販売で勝負しようという発想が弱者の戦略の一環として生まれてきていい。

ただし、直接販売の場合、①商品の成長商品であるか、伸びる可能性のある新製品であること、②特定の地域に限定して販売を展開すること、③市場のサイズのはっきりしたものを狙うこと、という三つの前提条件が必要である。



流通チャンネルの差別化における第二の課題は、同じ間接販売に頼るにしても、大型店を利用すべきか、前向きで積極的な中型店を利用すべきかという問題である。(中略)

チャンネルの差別化の第三の課題は、間接戦略の中のルートをどう差別化していくか、あるいは新しいルートをどう開拓していくかという問題である。(中略)

我が国の場合、せっかく新しいルートを開発しても、これがすぐに併売店になってしまう危険性が大きい。

結局、流通チャンネルの差別化は非常に難しいということだ。流通チャンネルで差別化しようとしたら、専売店か直売店をつくるしかない。だが、これだけ間接販売のウエートが高い現状をみれば、そのこと自身、非常に難しいということもわかってくる。』

(ランチェスター戦略の基本がわかる本 / ランチェスター戦略研究会・著)