旭川障害年金相談センターの米田です。
「障害年金」の手続きにおいて「初診日」はとても重要なポイントです。
今回は、その「初診日」が当初思っていた日とは違っていた場合について、実例を通して紹介します。
目次
中学校で不登校に
HKさんは幼少期のころから自家中毒症状が酷く、小学生の時は文章を理解出来ないので学力の低下が見受けられました。中学校では不登校がちだったため、心配した親が病院で受診したところ「アスペルガー障害」・「適応障害」と診断されました。
「うつ病」も発症し、障害年金の手続きを
高校を卒業した後も金属音は常に認められ、また気分の落ち込み・不安不眠といった症状も遷延して、「うつ病」も発症していた為、親御さんを通して「障害年金」の請求を御依頼がありました。
初診日の病院と思っていたけど・・・
障害年金申請の業務を行っているとよく有るのが、初診日に関わる病院だと思い、「受診状況等証明書」を作成して頂いたところ、「受診状況等証明書」の記載欄に、「前医からの紹介が有り」と記載がありました。
その為、「受診状況等証明書」を作成してくれた病院に、どちらの病院からの紹介だったのかを確認しました。その病院は、御本人自身も覚えていない病院でした。確認された病院で改めて「受診状況等証明書」の作成をして貰い「初診日」を確定しました。
「病歴・就労状況等申立書」を訂正し、「障害年金」の請求を無事行うことができ、結果障害基礎年金2級が決定しました。
何故、「障害年金」を請求する場合、「初診日」が重要なのか?
「初診日」は、「この日が初診日です」と「証明」をしなければなりません。障害年金の請求をする際に、何故「初診日」が重要なのか?必要なのか?
どうして重要であり、必要なのかを障害基礎年金(国民年金)の支給要件を例にして確認したいと思います。
<障害基礎年金の支給要件>
(1)国民年金に加入している間に、障害の原因となった病気やケガについて初めて医師又は歯科医師の診療を受けた日(以下「初診日」という)があること。
(2)障害認定日(「初診日から1年6カ月経過した日」又は「その間に治癒した日」)以後、一定の障害の状態にあること。
(3)初診日の前日において、次の保険料納付要件を満たしていること。但し、20歳前傷病には下記保険料納付要件は不要。
①初診日のある月の前々月までの公的年金の加入期間の2/3以上の期間について、保険料が納付又は免除されていること。
②初診日において65歳未満であり、初診日のある月の前々月までの1年間に保険料の未納が無いこと。
以上が、障害基礎年金の支給要件です。
上記を見ると、何故「初診日」を特定する必要があるか全ての支給要件に「初診日」が入っているので一目瞭然ですよね。
当初思っていた「初診日」の病院が実は違った場合の対処法
それでは、当初考えていた「初診日」にかかわる病院が、実は違っていた場合の対処法を紹介したいと思います。
正しい「初診日」が解ったら「障害年金」の受給要件である「保険料納付要件」を満たしているかどうかを必ず確認をして下さい。
その上で、下記のような対処法で「初診日」証明を行って下さい。
1,「初診日」にかかわる病院を突き止め「受診状況等証明書」を作成して貰う
今回の案件は、幸いにも「初診日」にかかわる病院にカルテが残っており(医療機関のカルテの保存義務は5年である為、5年が経過したらカルテを処分してしまう医療機関は少なくありません)、「受診状況等証明書」を作成して貰うことができました。
このように「初診日」にかかわる病院が、当初覚えていた病院とは異なる場合、「初診日」にかかわる病院に「受診状況等証明書」を作成して貰う。これが原則的な対処法の1つです。
2,「初診日」にかかわる病院事体が不明な場合は?
このような案件も過去になかった訳ではありません。この場合、御本人又はご家族から「初診日」にかかわる病院と思われる病院を聞取りします。もし病院名まで突き止められなくても、どの辺りの病院に行ったかを確認します。後は、その周辺の病院に直接電話をして問合せをします。
(1)「初診日」にかかわる病院を発見できてカルテがある場合は、上記1と同様に「受診状況等証明書」を作成して貰います。
(2)「初診日」にかかわる病院が発見できても、カルテがない場合があります。カルテがないことで諦めないで、もう少し突っ込んで病院に確認をして何か情報がないかを確認をして下さい。何か残っている範囲で「受診状況等証明書」を作成して貰いましょう。
「初診日」にかかわる病院に、もしカルテもなく、その他の情報がない場合は、下記の書類がないかと確認して、「障害年金」を請求する際に添付して届出をして下さい。
1)身体障害者(精神保健福祉)手帳
2)身体障害者(精神保健福祉)手帳申請時の診断書
3)生命保険診断書
4)自賠責保険診断書
5)初診日と受診科がわかる診察券
6)救急搬送記録
7)交通事故証明書
8)労災保険の証明書
9)医師による診療情報提供書(紹介状)
10)会社などの定期健康診断の記録
11)インフォームド・コンセントによる医療情報サマリー
12)カルテの治療歴記載部分
13)薬の説明書
14)お薬手帳
15)第三者証明
個別な案件では、上記以外のものも考えられるますが、一般的なものを記載させていただきました。
「初診日」が特定できない場合、「障害年金」の手続き上は非常に厄介です。御不明な点がありましたらご宴楽なくお問い合わせ下さい。
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