「障害年金」の他に「障害のある子」にいくらお金を残して、どう管理できるようにしたら良い?

当センターには「障害年金」のご相談にご来所されても、それだけを問題として抱えていらっしゃるわけではありません。

今回は、「障害年金」のご相談でご来所されたご夫婦ですが、別のご相談もお受けした案件をご紹介します。何かのご参考にして下さい。

「障害年金」とは別のご相談とは?

当初「障害年金」のご相談で、御夫婦ともに60歳のご夫妻がご来所頂きました。御夫婦には、お子さんはお二人おり、長女(32歳)と知的障害のある次女(30歳)です。

長女は既に結婚しており家を出ており、ご夫婦と次女の3人が同居しています。

ご夫婦が亡くなった後、残された次女のことを考えると、今からできることはしておこうということで、「障害年金」の手続きのご相談でご来所頂いた訳です。

話を聞いていると、次のようなご不安を抱えていらっしゃることが解りました。

御夫婦が亡くなった後の生活を考えると「障害年金」だけでは心もとなく、実際に次女が生活をしていくためには、いくらお金を残せばいいのか。そして、必要なだけお金を残してあげても、次女が管理していけるのか不安がありました。それに、次女はどこで暮らしたら良いのでしょうか・・・・

どこに暮らしたら良い?

「どこに暮らしたら良いのでしょうか」ということについては、一般的なお話をするしかありませんでしたが、障がい者の将来の住まいの場として「グループホーム」があることをお伝えしました。

家賃としては地域差はありますが、目安として2~4万円程度。費用が安く、質が高いサービスを提供しているグループホームは満室状態が多く、確実に入居できて安心して任せられる施設となると 月10万円ほどがほどかかることがあります。

いくら残したら良い?

次女は、障害基礎年金の障害等級2級です。ですので、障害基礎年金の年金額は年額777,800円(月額64,816円/令和4年度現在)が支給されます。

グループホームの家賃が10万円だとすると、100,000円-64,816円なので月約4万円は用意したいところです。

それを、母親の体力面から70歳まで面倒をみると想定すると、次女はそのとき40歳、そして次女の平均余命から九十歳まで生きるとして、残りの50年の次女の生活費を考えたとすると、4万円×12ヶ月×50年=2,400万の用意が必要となります。

お金の稼ぐ、お金の増やす方法は多種多様にありますが、「障害のある子」の為にお金を用意する動機からして、『リスクが低く、尚且つ確実性が高いやり方』を考えなければなりません。

皆さん、少し考えてみて下さい。

どのようなやり方があるでしょうか。どのような方法で「障害のある子」に対してお金を用意してあげることができるでしょうか。

私は、そのお金の用意の仕方としては「生命保険」が適しているのではないでしょうか、と提案をさせて頂きました。

※一言で「生命保険」と言っても色々な生命保険会社もあり、色々な商品もありますので、ここでは割愛をさせて頂きます。別の機会にどのような「生命保険」に加入した方が良いかもご紹介できたらと思います。

お金の管理はどのようにしたら良い?

今回のご夫婦は、支給されている「障害基礎年金」を次女の残された生活のために全て貯蓄されていて、そのお金を安全に管理し渡せるようにしたいという思いもありました。

「残された財産」を安全に管理する手段の1つとして、「信託」を利用することをお勧めしています。

信託」とは、大切な財産を、信頼できる人・組織に託し、自分が決めた目的に沿って大切な人や自分のために運用・管理してもらう制度のことです。

そして、「信託」には、大きく分けると次の二つがあります。

①信頼出来る「個人」に財産の管理と、その後の財産の流れを託す「民事信託

②信頼できる個人に託す「信託銀行

これらの手段は比較的認知度が高いのですが、実際には活用されているケースは少ないのが現状です。

「信託」が活用されていない理由

「信託」が、活用されるケースが少ない理由として、次のようなことが考えられます。

「民事信託」が活用されていない理由

1)個人間で財産を託すことに心理的なハードルがある

2)財産管理者の横領、死亡等のリスクがある

3)契約締結に伴う専門家の費用がかかる

「信託銀行」が活用されていない理由

1)契約締結時の初期費用が高い

2)信託財産の下限設定が高め

3)信託銀行営業支店のエリアが限られている

「信託」が利用されない理由は妥当・・・そこを解決する方法とは!?

上記で記載した「信託」が活用されない理由は、どれも的を得ていると思います。ではあれば、「信託」自体はやっぱり利用できないのではと思い込んでしまいがちです。

ところが!

既存の「信託制度」の課題を克服する為に、新しく「生命保険信託制度」が生まれました。

新しくできた「生命保険信託制度」とは?

生命保険信託制度」とは、死亡保険金を信託会社がお預かりし、大切なご家族(上記事例の場合は、障害のある子である次女)の為に管理をし、決められたルールに基づいてお金をお支払いをする制度です。

この制度を利用すると、ご自身にもしもがあった時に備えて、「誰に」「どのように」「どの順番で」保険金を支払うかを事前に決めていただくことで、受取人がうまく財産管理ができない場合でも、安全にお金を渡していくことができます。

※新しく「生命保険信託制度」が誕生しましたと記載しましたが、今までにも保険会社と銀行が共同の「生命保険信託」はありました。ですが、全てを保険会社が全うする(保険の設計からお金の管理まで)という「生命保険信託」が新たに誕生という意味です。

ご夫婦に提案した内容

あくまでも、これは参考までにですが、紹介させて頂きました事例のご夫婦のケースにどのような内容を提案をしたのかを紹介させて頂きます。

1)保険金を概算の必要額2,400万円で生命保険に加入

2)必要額2,400万円とは別で、今までの貯蓄した障害年金のお金で積立型の生命保険に加入

3)信託設定で分割交付を設定

4)指図権者(受益者と手続き面でサポートサポートして頂く方)を長女に設定

この投稿記事についての《問合せ》は

●「電話080-3268-4215 」 又は 「こちらのフォーム(メール)」でお申込み下さい。

社会保険労務士法人ファウンダー  / 札幌障害年金相談センター / 旭川障害年金相談センター

受付時間 平日 9:00-20:00(土日祝も対応可)

連絡先 ℡:080-3268-4215 / ℡:011ー748-9885

所在地〒007-0849 北海道札幌市東区北49条東13丁目1番10号

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA