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ご両親が居なくなった後の大切なお金
障害がある子どもが困ることがないように預貯金や不動産を遺す親御さんは多くいらっしゃいます。
しかし、障害者が相続人となる場合の財産の遺し方には注意が必要です。
知的障害や精神疾患を抱えていらっしゃる場合、とくに「相続財産の管理方法」については対策が必要なのではないでしょうか。
相続によって一度に多くの財産を手にしてしまうと、家計の管理がうまくできず浪費してしまったり、悪意のある業者などにだましとられてしまうケースもあるからです。
また、財産を引き継いだ障害者自身がいずれ亡くなった場合、財産をどうするかを決めていない場合、親が遺した相続財産はすべて国のものになってしまうケースがあります。
「相続財産の管理」で考えるべきことは?
では「相続財産の管理」として考えるべきことは、どのようなものがあるでしょうか。
・財産を管理しながら使っていくためにはどうするか
・信頼できる財産管理人はいるか
・障害者自身が亡くなったあとの財産をどうするか
この3点を考えることが非常に大切になってきます。
これらの問題点を解決できる手段として、最近「信託」という制度・契約が注目されています。
信託の種類
「信託」には大きく2つあり、
①信頼できる「個人」に財産の管理と、その後の財産の流れを託す「民事信託」
②信頼できる「銀行」や「法人」に託す「信託銀行・信託会社」
があります。
これらの手段は比較的認知度が高く、いろいろな専門家が相続財産の管理手段として提案しているのですが、下記のような理由により、実際に活用されているケースは少ないのが現状です。
①民事信託
・個人間で財産を託すことに対して、心理的ハードルの高さがある
・個人間であることから財産管理者の横領、死亡等のリスクがある
・契約締結に伴う専門家費用がかかる
②信託銀行・信託会社
・契約締結等の初期費用が高い
・信託財産の下限設定に引っかかってしまう
・信託銀行・信託会社の営業支店のエリアが限られている
これらの課題に対して、最近「生命保険信託」という新しい選択肢を利用する場合が多くみられます。
新しい選択肢である生命保険信託とは
そもそも、障害を抱える方が、障害年金等を計算に入れて、生活保護に頼らずに生活していく場合、入居施設によっては、十分な生活をするためには、数千万円の生活費用が必要と言われいます。
平均的な収入の家庭で、この金額を貯金するのは現実的ではありません。
そのため、生命保険契約を利用して、親亡きあとに必要な金額を死亡保険金として子どもの遺す方がほとんどです。
ただし、その保険金がそのまま一括で支払われてしまうと、多くの場合財産管理がうまくできません。
そこで活躍するのが「生命保険信託」です。
「生命保険信託」とは
「生命保険信託」では、生命保険会社から子に支払われる保険金を、生命保険信託会社が管理し、生命保険信託会社を通して、子に分割して交付をすることができます。
つまり親が事前に生命保険信託会社と契約し、定めた金額や期間通りに、生命保険信託会社から子に支払うことができる、という仕組みです。
その支払い方は信託契約の中である程度自由に決めることができ、
「保険金の中から毎月10万円ずつ交付する。」
「20歳になるまでは毎月15万円ずつ交付し、20歳の誕生日に一括で残額を交付する。」
というような決め方もできます。
また、信託契約である性質から
「子が亡くなるまでは、月15万円ずつ交付し、子が亡くなったあとは〇〇施設へ全額寄付する。」
などの決め方もできますので、障害のある子が遺言を遺せない場合も国に財産をとられてしまうことはありません。
さらに民事信託や信託会社・信託銀行を利用する場合に比べて、手数料も格段に安く済みます。
この生命保険信託をうまく使えば、親亡きあとの対策の幅は大きく広がります。ただし、生命保険金以外の財産についても対策は必要なので、他の制度と組み合わせてスキームを組むべきでしょう。
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