ドラッカーから学ぶ『成長のマネジメント』

私の信条の1つに『成長しようとしない人間は、人間であって人間でない!』

何が動物と人間を分けるかというと、1つには『成長する』ってことだと思うからです。

これは「人間にしか与えられていない」ことなのでは?と思うのです。

なので、法人である会社といえでも、運営する人間を投影するからこそ、会社も成長していくことを方針とするのは、単純に正しいと思っていました。

成長そのものが目標なのは”過ち”

ところが、ドラッカーは次のように言っています。

成長そのものを目標にすることはまちがいである。大きくなること自体に価値はない。よい企業になることが正しい目標である。成長そのものは虚栄でしかない。(P.F.ドラッカー著 「マネジメント」 第9章マネジメントの戦略)

ただ漠然と『成長』していくことだけ考えるのではなく、どのように『成長』していくかを考えないといけないのだと改めて教えられました。

成長・進化・発展の意味を改めて考える

ここで改め『成長』と似た言葉である『進化』、『発展』のそれぞれの意味の違いを確認したいと思います。

『成長』とは、育って「大きくなる」ことや「規模が拡大」すること。

『進化』とは、生物が世代交代を重ねるにつれて「新たな種へ変わる」こと。また、「技術や社会が段階的に優れたものや複雑なものへと変わっていく」こと。

『発展』とは、物事が伸び広がっていくことを表す。規模が大きくなるだけでなく、人数が増える分野が広まるなど勢いが大きくなること。段階や次元が、「次の水準」に進む。「進化」は「専門化」、発展は「多様化」と「次の水準」へ進む言葉でもニュアンスが異なる。

この3つの言葉を改めて確認したことは、ドラッカーが、ここの章で「成長」をどのように捉えて発信をしているかを推測する為です。

私自身、ドラッカー博士個人の思想・哲学・価値観であろう『ドラッカー理論』なるものへの理解度はさしたるものもありません。

ですので、ドラッカーの著書を断片的に読んだ者として感じたことを単純に表現をさせて頂くとするならば、この章はあくまでも「成長」についての言及に留めているだけであって、「進化」も「発展」についても反対はしていないということです。

同じ「マネジメント」の『多角化のマネジメント』の章に下記の通りにあるからです。

いかに集中が望ましくとも、多角化との調和が必要である。さもなければ過度の専門家化に陥る。同時に、いかに多角化が望ましくとも、あるいは避けがたくとも集中が必要である。さもなければ分裂と分散に陥る。

多分、更に突っ込むと、下記のような記載があります。

 成長するには、変化すべきタイミングを知らなければならない。それまでのマネジメントや組織構造では不適切なほど成長したことを教えてくれる兆候を知らなければならない。(P.F.ドラッカー著 「マネジメント」 第9章マネジメントの戦略)

「成長」・「進化」・「発展」をするタイミング、及びそのバランスが重要であり、その判断基準はあくまでも『良い企業』になることである、という趣旨のように受け止めています。また、極端かもしれませんが、チャンクサイズを上げると、「成長」・「進化」・「発展」の意味合いを含めて「成長」と表現しているのではと思う節もあります。

※別の視点からnote『【成長のマネジメント】会社の成長基準は『自己決定の方向』への進歩!

小企業こそ「機会」を逃してはならない

これは、ただ闇雲に頑張れはいいという意味ではないということは明白です。

『成長には戦略が必要である。準備が必要である。

なりたいと思うことに焦点を合わせた行動が必要である。

(中略)

いつ機会が訪れるかは予測できない。

準備しておかなければならない。

準備ができていなければ、機会は去り、他所へ行く。 』
(P.F.ドラッカー著 「マネジメント」 第9章マネジメントの戦略)

小企業であればあるほど、「問題」中心にビジネスを組み立てるのではなく、「機会」を中心に添えるべきだと前回ありました。

参照:【規模のマネジメント】

『成長の為の準備』として、特に下記の3つことを行っていなければならないと言っています。

①基本活動を明らかにし、それらの活動に取り組むべきトップマネジメント・チームを編成する。

②変化すべきときを知る為に、方針と行動の変化を要求する兆候に注意する。

③心底変化を望んでいるかを正直に判断する。

『従業員の個性・強み』を活かす働き方以外一切させない職場環境作り

企業の成果は、人を通してもたらされるので、その職場で働く【人の成長】は必要不可欠だと思います。

ただし、今は昔と違って、全て人から直接成果をもたらされるものばかりではなくなりました。

AIやRPA等が登場したからです。

会社は、『良い企業』になることを目標とし、

その会社で働く人は、仕事を通して『どのように成長すべきか』を目標設定する。

これは従来通りかもしれません。ですが、意味合いが大分深堀りされているのではと思います。

従来でも、従業員の『どのように成長すべきか』は、『従業員の個性・強み』を活かすことと捉えれて組織作りをしていたと思いますが、この面がかなり深掘りされているのではと思います。

極端な話、AIやRPA等が登場したことで、『従業員の個性・強み』を活かす仕事以外は、一切させない職場環境作りが可能となって来たからです。

人の成長、そして、AI及びRPAとの組み合わせをどう考えるか

会社の成長はあくまでも『良い会社』となること。

AIやRPA等が作業をほとんどやってくれるから、その他の作業を人にやって貰っています、というのはこれからどの会社と言えでもそのようになると思います。

問題は、「その他の作業」が携わる人が「成長」し得るのかどうかです。

もし会社が向いている方向に、一緒に働き成長ができるのであれば、それは良い方向だと思いますが、そうでなければ、またそのような件数が社会的に多ければ、これはとても社会的な大きな問題となるように思います。

ですので、単純にAIやRPAを導入したで終わらない、その後の職務設計を経営者がどう考えるか。

とても重大な課題を突き付けられているように思います。

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