会社が負う「障がい者雇用」の法的義務とは?一般的に考えられるメリットとデメリットは?

■なぜ「障がい者」を雇用するのか

「障がい者雇用」とは、企業が「障がい者」を障がい者雇用枠で雇うことです。
障がいを持つ方を持たない方と分けずに雇用した場合は「障がい者雇用」にあたりません。
障がい者雇用枠を作る理由は、「障がい者」は障がいを持たない方と比べて仕事を得る機会が少ないためです。

では、障がい者雇用枠の対象となる「障がい者」とはどういった方なのか。
障がい者雇用促進法の第2条に障がい者とは「身体障がい、知的障がい、精神障がい。その他の心身の機能の障がい」(引用:厚生労働省「障がい者の雇用の促進等に関する法律」)と定義されています。
具体的には「障がい者手帳」を持つ方が障がい者雇用枠で雇うことのできる方です。

企業に対しては、一定割合以上の「障がい者」を従業員として雇用することが義務付けられています。
この「障がい者雇用」の割合を「法定雇用率」と呼びます。
民間企業の法定雇用率は従業員全体の2.3%です。(令和3年4月1日時点)
実際に雇用すべき「障がい者」の数は以下の計算式で算出します。

(常時雇用者数+短時間雇用者数×0.5)×法定雇用率2.3%

短時間雇用者とは1週間の労働時間が20時間以上30時間未満の方です。
それより少ない労働時間の雇用者は数に含みません。
たとえば100人の正社員と10人のパート従業員(週20時間以上30時間未満勤務)の場合、(100+10×0.5)×2.3%=2.415人です。
小数点以下は切り捨てなので、この企業では2人の「障がい者」の雇用義務があります。
ただし、重度身体障がい者・重度知的障がい者を雇用している場合、1人で2人とカウントされます。

なお、法定雇用率は企業単位で適用となります。
事業所が複数ある場合、企業全体が法定雇用率を満たしていれば良いのです。
子会社の場合は親会社・子会社それぞれが法定雇用率の算定対象になりますが、一定の要件を満たせば「特例子会社」が適用されます。

 

■障がい者雇用のメリット

「障がい者」を雇用することで、助成金や調整金を受け取ることができます。
常時雇用の従業員が100人以上の企業で法定雇用率を越えて「障がい者」を雇用している場合、
越えている分の雇用人数1人につき月額2万7千円の「障がい者雇用調整金」を受け取ることができます。
常時雇用の労働者が100人以下の事業主に対しても、障がい者雇用数が各月4%を超えていれば、超えた分1人につき2万1千円の報奨金が支給されます。
その他、ハローワークから「障がい者」を迎えた場合の助成金、「障がい者」をトライアル雇用した場合の助成金など、「障がい者」を受け入れる企業に対して様々な助成金や調整金があります。
反対に、常時雇用の従業員100人以上の企業が法定雇用率を達成できなかったときは、不足分の人数1人あたり月額5万円の納付金を納める必要があります。

「障がい者雇用」のメリットは助成金を受け取れるほか「企業価値が高まる」という点があげられます。
「障がい者雇用」は「障がい者」が活躍する場を広げ、社会参加の機会を増やしているのです。
「障がい者」を積極的に雇用する企業は社会貢献している優良企業としてイメージアップに繋がります。

 

■障がい者雇用のデメリット

「障がい者」を雇用する際、障がいの種類によってはスロープを設置したり、パーテーションを準備したりと、設備を改修する必要があります。
「障がい者」を受け入れるための設備投資に利用できる助成金や調整金がありますので、制度を利用し、負担を減らしましょう。
また、採用する人材によってできることが違うため、業務を選別しなくてはなりません。
新たな業務を作ったり、既存の業務の中から作業を細分化したりと、一時的に仕事量が増える可能性があります。
しかし既存の業務を見直すことは、長期的に見れば従業員の負担軽減に繋がります。
マニュアルを作る、担当者を把握するなど、スムーズに業務移行できるよう準備しておきましょう。

障がい者雇用の未来

障がいを抱えている方々の中には、家から出れずに日常生活も家族の支援が必要な方達もいらっしゃいます。

ですが、同様に障がいを抱えている方々の中には、ある面では健常者以上のスペックを発揮する方達がいるのも事実です。最近、そこに目をつけて積極的に採用していくことで大きく業績をあげている会社が、度々テレビ等でも紹介されるようになって来ました。

私自身も、そのようなことをやっていきたいと考えている一人です。

AIを始めとするDXで職場環境は大きく変貌しようとしています。将来的にもどんどん変わっていくでしょうが、その中には、障がいを抱えている方達が、「自分らしく」働ける職場環境が形成されるものと信じています。

 

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