従業員が「緑内障」を発症!?職場で必要な配慮への第一歩は病気を知ることから!?

私は日常生活を送る際には、眼から入る情報に多くを依存して生きています。

以前、ヘレン・ケラーの人生について記事投稿がありましたが、そんな大事な眼の病気も何の予告も無し訪れる場合もあります。

よく耳にする眼の病気の一つである「緑内障」についてご紹介したいと思います。

「緑内障」とは

概要

緑内障とは、眼の奥にある視神経という部分に異常が起こり、視野(見える範囲)が狭くなったり部分的に見えなくなったりする病気です。多くの緑内障の進行はゆっくりであるため、緑内障患者さん自身が病気に気付かないまま視野が欠けていってしまうことが少なくありません。障害された視神経を回復する方法は確立されていませんので、早期に緑内障を発見し、適切な治療を開始・継続することで緑内障の進行を抑えることが可能となります。

原因

緑内障は、さまざまな原因で視神経が圧迫、障害されることで発症しますが、多くの場合“眼圧が上がる、高い”ことが発症と進行に深く関係しています。眼の中は房水と呼ばれる液体で満たされていますが、この房水の排出がうまくいかない原因により、主に“開放隅角緑内障”と“閉塞隅角緑内障”の2つのタイプの緑内障に分けられます。

開放隅角緑内障

開放隅角緑内障は、線維柱帯という部分が目詰まりして房水の排出がうまくいかずに眼圧が上昇してしまいます。また、正常眼圧緑内障では、眼圧が正常範囲内であるにもかかわらず視神経が障害されてしまいます。正常眼圧緑内障の場合、近視や高齢、視神経乳頭の出血、酸化ストレス、循環障害などが発症に影響しているといわれています。

閉塞隅角緑内障

閉塞隅角緑内障では、隅角ぐうかくという部分が狭くなったり閉じたりすることで房水が流出できなくなり、眼圧が上がります。

その他

そのほかの種類の緑内障として、ほかの病気の影響や薬の副作用により眼圧が上がってしまう“続発緑内障”や、隅角に生まれつきの構造異常があり眼圧が上昇することで発症する“小児緑内障”があります。

症状

初期の緑内障では、あまりはっきりとした症状が現れないことがほとんどです。最初に自覚される症状としては、見える範囲が狭くなる視野狭窄しやきょうさくや、視野の一部だけが見づらいといった症状などが挙げられます。このような症状は非常にゆっくりと進行するために気がつきにくいといわれています。

また、片方の眼にだけに症状があらわれた場合には、もう片方の視野で補ってしまうために自覚できないことも多くあります。視野障害や暗点の出現に気付いたときには、すでにかなり進行してしまっていることも珍しくありません。視野障害が進行すると、視力低下、さらには生活に重度の不便が出ることもありますが、進行スピードは緑内障の種類や眼の状態によっても大きく異なり、個人差も大きいとされています。

閉塞隅角緑内障では、“急性緑内障発作”を引き起こすことがあります。急激に眼圧が上昇することで、視力が急速に悪化し、失明のリスクがあります。また、眼の痛みやかすみ、充血に加えて、頭痛や吐き気が起こることも特徴的です。暗いところでの長時間の細かい作業や、長時間のうつ伏せ姿勢などが誘因となることがあります。

検査・診断

緑内障の検査には、視力検査、細隙灯顕微鏡さいげきとうけんびきょう検査、眼圧検査、隅角検査、眼底検査、光干渉断層計(OCT)、視野検査などがあります。

眼圧検査

眼圧は緑内障の診断と管理にとても大切です。眼に測定チップを直接接触させることにより検査を行うゴールドマン圧平眼圧計、眼に空気をあてて測定を行う非接触型眼圧計の2種類が使われることが多いです。眼圧は角膜の“厚み”や“剛性”といった眼の構造によって影響されやすいため、異常値の有無だけで緑内障と判定されるわけではありません。また、眼圧は1日の中でも変動し、季節や体位、運動などにも影響を受けます。

隅角検査

緑内障の種類や病状を判断するために行います。この検査では、点眼麻酔をしたうえで専用のコンタクトレンズを眼に当てて隅角を観察します。隅角が開いているのか閉じているのか、隅角部に癒着があるか、房水の流出部に色素などが沈着していないかを確認して、病型や病状を判断します。

眼底検査

主に視神経がどの程度障害されているかを調べます。眼底にある視神経乳頭といわれる神経が集まる部分に異常があるかどうかを確認することで、視神経の状態を知ることができます。緑内障以外の病気の有無も観察します。

視野検査

視野検査は、緑内障の診断と経過観察にとても重要です。器械の前に座り、小さな光が見えたらボタンを押してもらう検査です。見える部分や見えづらい部分を調べ、それぞれの部分の感度を測ります。緑内障の病状に応じて、さまざまな機器とプログラムがあります。

治療

緑内障の治療における基本的な考え方は“症状を悪化させない”ことです。視野の欠けるスピードを遅らせて、見え方の質と生活の質を維持することが目的となります。一度障害されてしまった視神経が回復することはありません。しかし、視神経は眼圧が高いほど傷つきやすくなるので、適切な治療を続けて眼圧を少しでも下げ、緑内障の進行を防ぐことが重要です。眼圧を下げるための治療方法としては、薬物療法、レーザー療法、手術の3種類が挙げられます。

原発開放隅角緑内障は、多くの場合点眼薬による薬物療法を行います。緑内障の種類や重症度、眼圧の程度、眼の状況に応じて薬剤が選ばれます。1種類だけを用いることもあれば 、複数の点眼薬を組み合わせて使用する場合もあります。目詰まりをしている線維柱帯にレーザーを照射し、房水の通りをよくする方法も行われています。点眼やレーザーでも眼圧が十分に下がらない場合は、房水の流れをよくする手術が行われています。

原発閉塞隅角緑内障の場合、手術やレーザーが必要になることもあります。白内障が原因で房水の流れが悪くなっている場合は、白内障手術が行われることもあります。また、レーザー治療は眼の虹彩こうさいという部分に穴を開けることによって房水の流れを変えていきます。

引用元:medicalnote 緑内障

配慮が必要な「緑内障」の症状など

「緑内障」は、「視神経」が損傷を受けることによって、視野が狭くなったり、視野が欠けるという症状が出ることの多い病気です。

また「緑内障」と共に、何かしら別の眼疾患を併発することが多いので、視力の低下や明暗の調整が苦手な方もおられます。
症状は個人によって異なることを知った上で、配慮できる範囲を考える必要があるかと思います。

一般的に「緑内障」では視野の一部が欠けて、その部分を認識することができなくなる症状があります。
視野の一部にすりガラスのように白くぼやけた部分があるイメージが近いかもしれません。

視野の欠けた部位や大きさも、個人の病状や進行状況によって変わってきます。

障害をお持ちの方が、たとえばどの方向からの視覚情報を得にくいかなどのヒアリングをしておくことによって、オフィスにおける座席の配置、業務内容の配慮なども定まってくるでしょう。

仕事をする上で本人が気を付けておくこと

ご自身の眼のハンディキャップを、職場や周りの方々に詳細に伝えることが重要となります。

視野が欠けている部分を図で示すなどの方法で同僚に伝えておくことは、足元の荷物によって転倒する事故などを防ぐことにも繋がります。
同じくオフィス内の座席配置を配慮してもらうことで、たとえば窓際での光刺激を防ぐなどの配慮も期待できます。

一例ではありますが、同僚から呼ばれる際に遠方から手を振るという呼び方に対して反応ができない方もおられます。
症状として難しいことを把握して、この例で言えば声で気づかせてもらうという対処方法もあります。

 

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