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うつ病による障害年金の請求事例を紹介します
札幌障害年金相談センターで実際にご対応させて頂いたうつ病による障害年金の請求事例を紹介致します。
障害年金の周知と支援の重要性
Aさんは、28歳頃から不安感、動悸、冷汗が急に現れるパニック発作が始まりました。その後、カギや火の確認などの確認行為が増え、先手強迫もひどくなり、医療機関を受診しました。
約9年間受診を続けましたが、症状は悪化し、薬物療法や支持的精神療法を行っていました。しかし、医療機関からは障害年金についての話は出ることがありませんでした。その時、支援者(家族会や医療機関の人でない方)に巡り合いました。
支援者も障害年金について知らなかったのですが、以前受け取ったハガキを思い出し、専門の相談機関に電話しました。そこで、札幌障害年金相談センターにご相談いただく機会がありました。このセンターでは、障害年金に関する専門知識を活かし、申請手続きをサポートしています。
担当の社会保険労務士がAさんと支援者と面談し、障害年金を請求することになりました。初診日の確認と傷病の状態を十分把握するために、Aさんと初診の医療機関を訪問し、初診日を確定することができました。
日常生活能力の判定項目についても十分に聞き取りを行い、文章にまとめ、障害年金の診断書(精神の障害用)記載要領とともに、医師に診断書の作成を依頼することになりました。
結果、医療機関からはAさんの病状を反映した診断書が作成され、数か月後、障害年金の受給が決定しました。
支援者の方の行動によって、障害年金を知らなかった人を動かすことができ、大変喜んでいただけました。もっともっと、医療機関や家族会などに障害年金という制度の周知拡大を行い、障害年金に該当される人に支援を行うことが必要と思いました。
支援の輪が照らす明日への光
8歳の時より、Aさんは予期せぬ不安感、動悸、そして冷汗を伴うパニック発作に苦しみ始められました。次第に、鍵や火の元の確認を繰り返す強迫行為が日常となり、先手強迫の症状も重くなっていったため、医療機関での治療が必要となりました。
9年という長い期間、薬物療法と支持的精神療法による治療を継続されましたが、なかなか症状の好転は見られませんでした。その間、医療機関からは障害年金についての情報提供はなく、道筋が見えない日々が続いておりました。そんな中、一人の支援者(医療機関や家族会とは異なる方)との出会いが、状況を大きく変えることとなりました。
この支援者の方も障害年金制度については詳しくなかったものの、過去に受け取った障害年金に関する案内はがきを思い出され、私ども札幌障害年金相談センターへご相談くださいました。
私どもでは、Aさんと支援者の方をお迎えし、これまでの状況を細やかにお伺いした上で、障害年金請求のお手伝いをさせていただくことになりました。
正確な請求を行うため、Aさんとともに初診医療機関へ足を運び、初診日の確認作業を慎重に進めさせていただきました。また、日常生活における様々な制限について詳しくお話を伺い、それらを丁寧に文書化した上で、障害年金診断書(精神の障害用)の記載要領とともに、担当医師へご提出させていただきました。
こうした準備の結果、医師からAさんの症状を適切に反映した診断書を作成いただき、数か月後には障害年金の受給が決定いたしました。
支援者の方の思いやり深い行動により、それまで制度を知る機会のなかったAさんに必要な支援をお届けできたことを、私どもは深く感謝しております。
この経験を通じ、より多くの医療機関や家族会の皆様に障害年金制度を知っていただき、支援を必要とする方々へより良いサポートをお届けできるよう、私どもは日々研鑽を重ねております。
障害年金の申請を通じて前を向いたAさんの経験
Aさん(30代・無職)は、うつ病を抱えながら生活のために働く必要がありましたが、どの仕事も続けることができず、将来への不安を抱えていました。障害年金を受給できるかどうか分からず、迷いながらも相談にいらっしゃいました。
お話を伺う中で、Aさんは幼少期から対人関係が苦手で、一人で過ごすことが多かったこと、思春期には家庭内の問題に悩んでいたことなどを打ち明けてくださいました。生活の中でどのような困難があるのかを丁寧に整理し、現在の症状を踏まえた結果、障害年金の申請を進めることをご提案しました。
Aさんの初診日は高校生の頃で、15年以上前のことでした。そのため、初診を受けた医療機関ではカルテがすでに廃棄されていましたが、PC上に初診日の記録が残っていることが確認できました。障害年金の制度では、20歳前に初診日がある場合、「受診した事実」を証明できれば初診日として認められるため、速やかに手続きを進めました。また、より確実な証明とするため、第三者証明も1名分用意しました。
診断書の作成にあたっては、Aさんとともに医療機関へ伺い、医師に障害年金の制度について詳しくご説明しながら、Aさんの実情を正しく反映した診断書を作成していただけるように働きかけました。
こうした準備を経て、Aさんは無事に障害基礎年金2級の認定を受けることができました。障害年金の制度を知らずに「自分は対象になるのか」と不安を抱えている方は決して少なくありません。少しでも気になることがあれば、早めに専門家に相談することが大切です。
障害年金で安心した一例
Aさんという方は、うつ病を患い、約20年間自室から出られない状況が続いていました。高校を卒業後、職場でのパワハラを理由に退職し、その後はご家族の付き添いで医療機関を受診する程度でした。将来への不安から、経済的援助を得られる方法を探していました。
Aさんのお悩みを聞き、専門家が丁寧にサポートを提供しました。札幌障害年金相談センターでは、障害年金の申請手続きを専門的にサポートしており、ご相談者がスムーズに年金を受給できるよう努力しています。医療機関は一か所でしたが、通院を中断していたため、事後重症請求での手続きとなりました。診断書作成の際には、ご家族やAさん本人から日常生活状況についてお話を伺い、参考資料を作成し主治医に提出しました。病歴や就労状況を時系列に整理し、申立書を作成しました。
その結果、Aさんはうつ病で障害基礎年金2級を取得し、年間約78万円を受給することができました。このように、専門家のサポートにより、複雑な手続きを乗り越え、安心して年金を受給できるようになりました。
希望の光を見つけた家族 ~障害年金申請からの再出発~
「もう大丈夫ですよ、一緒に考えていきましょう」。この言葉に、私(Aさん)は思わず涙が込み上げてきました。5年に及ぶうつ病との闘いの中で、初めて感じた希望の光でした。
すべては息子3歳、娘1歳の時に始まりました。夫のうつ病発症により、安定していた生活が一変。退職後、夫の症状は悪化の一途を辿り、パニック発作や感情の制御困難、希死念慮に苦しむ日々が続きました。半年で貯金は底をつき、生活の重圧が私たちを追い詰めていきました。
夫は必死に働こうとしましたが、病状のため長期休暇を繰り返し、どの職場でも1年以上続けることができません。私も働き始めましたが、わずかな保育園料さえ支払えない月があり、毎日が不安との戦いでした。
精神障害者保健福祉手帳取得後、年金事務所での相談は門前払い。「アルバイトができているから該当しません」という一言で、希望は打ち砕かれました。その後4年間、私たちは暗闇の中を必死に歩き続けました。
転機は、インターネットで見つけた札幌障害年金相談センターでした。おそるおそる送ったメールへの返信は、想像以上に丁寧で温かいものでした。担当者の方は、これまでの苦労を親身に聞いてくださり、私たちの状況を細かく確認していきました。
申請のプロセスでは、夫の症状や就労状況の変化に合わせて、きめ細やかなサポートを提供してくださいました。特に、コロナ感染による夫の退職後は、素早く3級から2級への申請方針変更を進言してくださり、私たちの不安に寄り添ってくださいました。
結果を待つ間も、定期的な状況報告で私たちを支えてくださいました。そして最後に届いた朗報―障害等級2級の認定と5年分の遡及請求が認められたのです。この結果に、夫婦で抱き合って喜びました。
今では子どもたちの習い事を始められ、長年諦めていた矯正歯科も検討できるようになりました。何より、夫に「無理して働かなくていいんだよ」と、心から言えるようになりました。センターの方々の丁寧なサポートがなければ、この変化は実現できなかったでしょう。
この経験は私の人生も大きく変えました。現在、社会保険労務士の資格取得を目指して勉強しています。同じような苦しみを抱える方々の力になりたい―そんな新しい夢も見つけることができました。
日々の買い物でケーキを選べる余裕ができた今、札幌障害年金相談センターの方々への感謝の気持ちは尽きません。これからも家族で支え合いながら、一歩一歩、前を向いて歩んでいきたいと思います。
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