当事務所でも導入している「RPA(Robotic Process Automation)」について紹介したいと思います。
まず「RPA 」とは、ソフトウェアロボットを用いて、ビジネスプロセスを自動化する技術のことです。
「RPA」は、重複作業やルーティンワークなど、高い精度が求められる作業を自動化することができます。「RPA」は、人間が行う業務をコンピュータプログラムによって自動化するため、コンピュータができることをより早く、より正確に、より低コストで実行することが可能となります。
「RPA」は、様々な業務に適用可能で、例えば、ファイナンス、人事、顧客サポート、物流など、多くの分野で活用されています。「RPA」は、データエントリーや請求書の処理、顧客からの問い合わせ対応など、繰り返し行われるタスクを自動化することができます。
目次
RPAの導入メリットとは?
「RPA」の導入には、プログラムを作成するための専門知識を持った人材が必要ですが、現在では「RPAツール」が数多く存在し、専門的な知識を持たなくても、比較的容易に導入することができます。「RPA」は、従来のITシステムとは異なり、プログラムがエンドユーザーに直接関係することが多いため、ビジネス部門やオペレーション部門などでの導入が多くなっています。
「RPA」の導入には、もう少し詳しく見ていきたいと思います。以下が「RPA」を導入するメリットと考えられるものです。
高い効率性と正確性
「RPA」は、高速で正確に業務を処理することができます。これにより、今まで従業員が処理をしていた業務を「RPA」が処理してくれるため、従業員の本来業務に専念できる為、生産性を向上させることができます。
低コスト化
「RPA」は、人的リソースを必要としないため、コスト削減効果が期待できます。また、業務の品質を向上させることにより、コスト削減にも繋がることがあります。「RPA」によっては年間利用料で100万円近い料金がかかるものとありますし、利用だけではあれば無料の「RPA」もあります。どちらにしても、従業員一人に処理して貰うことを比較すると人材不足、人件費高騰の問題解決の1つと検討ができる案件かと思います。
ワークフローの改善
「RPA」を導入するには、今までの業務フローを見直しをして、どこの工程・プロセスを「RPA」に処理して貰い、従業員は何をするのかを検討する必要があります。この検討過程で業務ワークの改善がされることができます。これに伴い、エラーの発生や生産性低下を防ぐことができます。
時間の節約
「RPA」は、人間が直接処理するよりも早く処理できることが多いです。作業が早く完結することにより次の工程・プロセスの処理を促すことができ、業務処理のペースをコントロールできることもあります。結果、従前の業務処理よりも時間を節約することができます。
柔軟性の向上
「RPA」に作業を処理をさせることで、従業員は、顧客からのニーズに柔軟ができる余裕が生まれます。
RPAの課題とは
「RPA」を導入することは良いことばかりかというと、見落としてしまう注意すべき点や課題もあります。以下が、注意すべき点と課題です。
導入コスト
「RPA」の導入には、専門的な知識を持った人材やツールが必要となるため、導入コストが高い場合があります。「RPA」自体が高額でなくても、実際「RPA」の設定をするのには、「RPA」のサポートをしてくれる企業によっては月額30万円の料金がかかる場合もあります。
これは私の体験ですが、「RPA」を導入したてのときは、どのように設定をしたら良いか解らないことが多く、クラウド上でサポートを受けれる場合もありますが、専門用語で説明されるので説明文の質問が必要なケースもありました。結果、自分ではなく、設定をして貰うことになりますが月額30万円かかることもあり、依頼をする設定事体にそこまので価値があるのかどうかを検討した際に長い目で見なければ割高感を否めないこともありました。
完全自動化ができない業務もある
「RPA」は、ルーティンワークなどの繰り返し作業に適していますが、判断力や創造性を必要とする業務には対応できません。
エラーが発生する可能性がある
「RPA」による自動化により、一度発生したエラーが再度発生する可能性があるため、エラーが発生した際にはプログラムの修正が必要となる場合があります。
セキュリティ上のリスク
「RPA」による自動化により、機密性が高い情報が漏洩するリスクがあるため、従業員と同じ環境で「RPA」を利用するのではなく、情報漏洩が起こらない環境設定が必要です。
以上が、「RPA」の効果的な活用方法、注意すべき点、性質上の限界についての概要です。「RPA」は、正確性や効率性を向上させることができるため、今後ますます注目される技術となっていくことが予想されます。
RPAの効果的活用方法とは
「RPA」を効果的に活用する方法については、以下のようなものがあります。
RPA導入の前にプロセスを最適化すること
「RPA」を導入する前に、自動化対象となるプロセスを最適化することが重要です。プロセスを最適化することで、不要なステップや手作業を排除し、「RPA」の自動化範囲を明確にすることができます。
RPA導入の適切な範囲を決定すること
「RPA」は単純なルーチン業務を自動化することに最適です。複雑なタスクや判断が必要な業務は、人間の判断力が必要なため、自動化することが困難です。「RPA」の導入範囲を適切に決定し、最適化することが大切です。
RPAツールの選定と設計
「RPAツール」の選定は、導入するプロセスの性質や目的に応じて、慎重に行う必要があります。また、「RPA」の設計においては、プロセスのフローを詳細に分析し、必要なデータや条件を正確に設定することが重要です。
システムの可視化と監視
「RPA」を導入する際には、システムの可視化と監視が必要です。導入後には、実行結果やエラーの発生状況などを監視し、必要に応じて修正や改善を行うことが重要です。
RPAを活用する際、注意すべき点とは
「RPA」の注意すべき点としては、以下のようなものがあります。
プロセス変更に対する柔軟性の欠如
「RPA」は、ある程度固定されたプロセスに対して最適化されているため、プロセスが変更される場合には、手動で変更を反映する必要があります。そのため、変更が多いプロセスに対しては、「RPA」を導入することが困難です。
セキュリティ上の懸念
「RPA」は、ある種の業務にアクセスするために必要な権限を持っています。そのため、不正なアクセスによる情報漏洩や改ざんのリスクがあります。セキュリティ上の対策が必要です。
まとめ
どれだけ有能なツールであったとしても、利用する側によって効果の発揮の仕方は変わります。特に「RPA」のようなツールは、利用者側の取り組み方によっては大きな成果を発揮できるかどうかが問われるのではないかと思われます。
導入する前に十分ご検討して頂く必要があるかと思います。
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