「障害年金」の請求を一度でも検討されたことがある方であれば、「65歳以降に初診日」があると、そもそも「障害年金」を請求することができない、と聞いたことがあると思います。
目次
「初診日」が65歳前後で取扱いが異なる
65歳前後のどのタイミングで「初診日」があるかで取扱いが異なりますので注意が必要です。
「65歳の誕生日の前々日」までに初診日がある場合
ここで注意が必要なのは、「初診日」があくまでも「65歳の誕生日の前日」ではなく、「65歳の誕生日の前々日」であること。
そして、「65歳の誕生日の前々日」までに初診日がある場合は、下記の二通りの請求の仕方ができます。
1)「認定日請求」と「事後重症請求」ができる場合
2)「認定日請求」のみできる場合
1)「認定日請求」と「事後重症請求」ができる場合
「認定日請求」と「事後重症請求」のそれぞれについて説明をします。
「認定日請求」とは
「認定日」とは、①「初診日」から起算して1年6か月を経過した日、又は①の期間内にその傷病が治った場合、その治った日(症状が固定し治療の効果が期待できない状態に至った日。例:全聾 )です。
この「認定日」から3か月以内の症状において、障害等級1級、2級、3級(国民年金の障害基礎年金対象者は1級、2級のみ)の状態にあるということで「障害年金」を請求することですが、「認定日請求」と言います。
「事後重症請求」とは
「事後重症請求」とは、「認定日」には障害等級に該当していなかったけど、その後症状が重たくなって障害等級1級、2級、3級(国民年金の障害基礎年金対象者は1級、2級のみ)の状態にあるので「障害年金」を請求します、というケースです。
この「事後重症請求」の要件は、下記の通りです。
①初診日に年金制度の被保険者であること。
②障害認定日に障害等級1級、2級、3級(国民年金の障害基礎年金対象者は1級、2級のみ)に該当しないこと。
③保険料納付要件を満たしていること。
④65歳に達する日の前日までに、障害等級1級、2級、3級(国民年金の障害基礎年金対象者は1級、2級のみ)に該当すること。
⑤65歳に達する日の前日(65歳の誕生日の前々日)までに、「障害年金」を請求すること。
2)「認定日請求」のみできる場合
「事後重症請求」の要件を確認して頂ける通り、65歳の誕生日の前々日は1つに区切りとなっていて、その日以降の「障害年金」の請求は「認定日請求」しかできません。
65歳以降に「初診日」がある場合でも「障害年金」を請求できる?
65歳以降に「初診日」がある場合で、「障害年金」を請求できるのは、下記の場合です。
1)「初診日」に、国民年金の任意加入者であること
2)「初診日」において、厚生年金の被保険者であること
但し、通常と異なる点がありますので、下記の件をご留意ください。
65歳以降に「初診日」がある場合の注意点
1)「障害年金」の請求の仕方は「認定日請求」のみです。
※上記「事後重症請求」の要件をご確認して頂けるとご理解して頂けると思います。
2)国民年金の任意加入者の時に「初診日」がある場合は、当然ですが「障害基礎年金」のみが対象です。
※「国民年金の任意加入者」であることは、厚生年金の被保険者ではない為です。
3)厚生年金の被保険者の時に「初診日」がある場合は、「障害等級」が2級以上であったとしても「障害厚生年金」のみが対象であり、「障害基礎年金」は支給されません。
4)「保険料納付要件」は、原則のみが適用です。
※「保険料納付要件」の原則とは、
① 「初診日」の前日に、
② 「初診日」の属する月の前々月までの国民年金の被保険者期間のうち
③ 「保険料納付済期間」と「保険料免除期間」とを合算した期間が、3分の2以上あること(保険料の滞納期間が3分の1以下)
ま と め
65歳以降に「初診日」がある場合でも「障害年金」を請求することができることを紹介させて頂きましたが、結局は「障害基礎年金」か「障害厚生年金」のどちらかしか受給できません。
その為、「老齢年金」を受給する方が得策のケースが多いのかもしれません。
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