「公的年金」を受け取る場合、配偶者がいる公的年金に「配偶者の加給年金」が加算されます。
ここでいう「公的年金」は、「老齢厚生年金」と「障害厚生年金」のことです。
目次
「老齢厚生年金」の「加給年金」が支給される条件は?
「老齢厚生年金」に加算される配偶者の「加給年金」は、ただ単純に配偶者がいれば自動で支給されるものではありません。
受給要件
受け取る為には、下記の要件を満たしていることが必要です。
1)「老齢厚生年金」の「報酬比例部分」と「定額部分」を受け取れる者(受給権者)
2)厚生年金保険の被保険者期間が240か月以上である受給権者である。
3)「老齢厚生年金」の受給権が発生したとき、配偶者が受給権者によって「生計維持」していること。
4)配偶者が65歳未満であること。
支給停止要件
「加給年金」の対象者である配偶者が、下記の要件を満たす場合、「加給年金」は支給停止となります。
1)「老齢厚生年金(被保険者期間が240か月以上)、退職共済年金(被保険者期間が240か月以上)を受けることができるとき
2)「障害厚生年金」、「障害基礎年金」、「障害共済年金」を受けることができるとき
⇒ これらの年金を受け取っている期間中が支給停止となります。
≪注意≫
・加算対象の配偶者が、繰上げ支給の老齢基礎年金を受け取っても、加給年金は支給停止にならない。
・「老齢厚生年金」、「退職共済年金」については、被保険者期間が240か月未満であったとしても、「中高齢の特例」に該当する場合は、「加給年金」は支給停止されます。
失権要件
1)加算対象の配偶者が、死亡した
2)受給権者からの「生計維持」関係がなくなったとき
3)受給権者と加算対象者が離婚したとき
4)加算対象者が65歳になったとき
「障害厚生年金」の「加給年金」が支給される条件は?
受給要件
受け取る為には、下記の要件を満たしていることが必要です。
1)障害等級1級又は2級の「障害厚生年金」の受給権者である。
2)「障害厚生年金」の受給権が発生したとき、配偶者が受給権者によって「生計維持」していること。
4)加算対象の配偶者が65歳未満であること。
支給停止要件
「加給年金」の対象者である配偶者が、下記の要件を満たす場合、「加給年金」は支給停止となります。
1)「老齢厚生年金(被保険者期間が240か月以上)、退職共済年金(被保険者期間が240か月以上)を受けることができるとき
2)「障害厚生年金」、「障害基礎年金」、「障害共済年金」を受けることができるとき
⇒ これらの年金を受け取っている期間中が支給停止となります。
≪注意≫
・加算対象の配偶者が、繰上げ支給の老齢基礎年金を受け取っても、加給年金は支給停止にならない。
・「老齢厚生年金」、「退職共済年金」については、被保険者期間が240か月未満であったとしても、「中高齢の特例」に該当する場合は、「加給年金」は支給停止されます。
失権要件
1)加算対象の配偶者が、死亡した
2)受給権者からの「生計維持」関係がなくなったとき
3)受給権者と加算対象者が離婚したとき
4)加算対象者が65歳になったとき
配偶者には「事実婚」の相手も含むのか?
基本の考え方としては、認められたら「事実婚」の相手の方を加給年金の加算対象者と扱われることがあります。
最低限の下記の条件を満たしていることが必要です。
1)婚姻する意思があるか。
2)生計を一緒にする意思があるか。
3)法律上の婚姻関係にある配偶者がいないこと。
4)住民票が同じこと。
但し、住民票が別世帯になっている、一緒に住んでいない場合も実際にはあります。ですので、下記の4パターンに応じて求められる添付書類を提出することで、事実確認をした上で、認めるのか、認めないのかを決定されることになります。
尚、添付書類として提出する下記の書類は、「老齢厚生年金」「障害厚生年金」のどちらの場合も同様です。
住民票が同じ世帯・同じ住所の場合
1)住民票(全世帯)
2)各々の戸籍謄本
3)婚姻意思についての申立書
住民票の住所は同じ・世帯が別々の場合
1)各々の住民票
2)別世帯の理由書
3)第三者の証明(事実婚であるという第三者の証明)
住民票が別々・実際は同居の場合
1)住民票が別々でも、実際には同居している理由の申立書
2)第三者の証明(事実婚であるという第三者の証明)
3)事実婚が確認ができる書類
住民票が別々・別居の場合
1)お金の援助をしていることができる出来る書類
2)第三者の証明(事実婚であるという第三者の証明)
3)事実婚が確認ができる書類
まとめ
上記の件は、なかなか複雑です。ですので、事実確認をしながら適切な手続きをされるようにして下さい。
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