身近な病気でもある「糖尿病」!職場で考えることができる配慮とのはどのようなものがあるの?

平成28年「国民健康・栄養調査」(厚生労働省)では糖尿病の件につき、下記の趣旨の記載がありました。」

「糖尿病が強く疑われる者」の割合は、12.1%とのこと。

私の周りにも「糖尿病」の方もおり、決して珍しい病気ではありませんが、放ておくと大変なことになるのも「糖尿病」です。

大変なことになる代表的に症状の一つに目の疾患があります。今回の「糖尿病性網膜症」について見ていきたいと思います。

是非最後までお付き合いください。

「糖尿病性網膜症」とは

概要

糖尿病網膜症(糖尿病性網膜症)とは、糖尿病の合併症として発症する疾患です。腎症や神経障害とともに糖尿病の三大合併症のひとつとして知られています。糖尿病では血管障害が引き起こされますが、これに関連した網膜病変です。

最近の厚生労働省の調査では、国内の糖尿病が強く疑われる方は1000万人を越えていると推定されます。糖尿病の患者さんのうちのおよそ3分の1、約300万人が糖尿病網膜症に罹患していると推計されており 、非常にありふれた合併症であるともいえます。

糖尿病網膜症は無症状で進行することも多く、最悪の場合には失明にも至ることがあります。患者さんのうち、およそ100万人に実際に視力低下や失明が起きていると考えられます。つまり、糖尿病患者さんの約10人に1人に、糖尿病網膜症による視力障害が出ているということになります。

糖尿病自体の治療や糖尿病網膜症に対しての手術療法等の治療はそれぞれ存在しますが、何よりも早期発見早期治療が大切です。こうした観点から、定期的な眼科受診が重要な疾患であるといえます。

原因

眼底には網膜という神経組織があり、外界の光を感知し電気信号に変えて脳に伝えます。その結果、私たちはものを見ることができます。つまり、網膜は視力を司る重要な部分といえます。

網膜には視細胞が密集しているため、多くの血管が走っています。しかし糖尿病になると血糖値が上昇し、網膜の血管が詰まったり破れたりしてしまいます。すると出血によって視界が狭くなったり、網膜に十分な栄養が届かなくなったりして、視力低下や最悪の場合、失明につながるのです。

糖尿病網膜症は、血管性病変の進行の程度により単純糖尿病網膜症、前増殖糖尿病網膜症、増殖糖尿病網膜症の3つに分類されています。

単純糖尿病網膜症

初期の段階の網膜症です。小さな出血や網膜の白斑を観察することがありますが、血糖コントロールを厳格にすることで改善することも期待できる段階です。しかし血糖コントロールが悪い状態が持続すると、前増殖糖尿病網膜症へと進行します。

前増殖糖尿病網膜症

網膜の毛細血管が閉塞してきて、網膜組織が虚血(血液により酸素が届かない状態)状態になってきます。虚血が進行すると、新生血管とよばれる新しい血管が増殖してきます。新生血管が増殖すると増殖網膜症となりますが、前増殖網膜症は網膜に虚血があってもまだ新生血管が増殖していない段階です。

増殖糖尿病網膜症

新生血管が網膜や硝子体に多くみられるようになります。新生血管は通常の血管よりももろく、容易に出血します。すると、硝子体出血や網膜剥離を来し、眼内病変は進行することになります。放置すると、最終的には失明することもあり、緊急的な治療が必要です。

症状

糖尿病網膜症は、初期の段階では自覚症状がほとんどありません。網膜の酸素低下から新生血管が産生される前増殖糖尿病網膜症になると、眼がかすむ、視力が低下するなどの症状が出ることもありますが、なおも症状がないことがあります。

しかし、新生血管の形成が多くなる増殖糖尿病網膜症の段階になると、硝子体出血や網膜剥離などの眼内病変を来すことになり、より明確な症状を呈することになります。具体的には、飛蚊症(糸くずや蚊のようなものが見える状態です)、視野に墨がかかったように一部分が暗くなる、視野が狭くなる、などの症状が出現します。最悪の場合は、失明することもあります。

また、黄斑浮腫を合併することも多く、重症な場合には視力が低下して、車の運転ができなくなったり、文字が読めなくなったりします。黄斑浮腫は、単純、前増殖、増殖といずれの病期の糖尿病網膜症にも起こってきます。

引用元:medicalnote 糖尿病網膜症

「糖尿病」の全ての合併症に対するフォローは難しいかと思います。
しかし、心筋梗塞や脳卒中へのリスクが高い方とした場合には、たとえば業務上で寒暖差の大きな移動をなるべくなくす配慮が、足への神経症状が出ている場合には、連続した歩行が要求される業務への配慮が求められるでしょう。

このように会社が考えることのできる配慮は多岐に渡るかと思います。
可能な限り当人へのリスクを軽減することが、重要な労働環境整備のひとつとなってきます。

配慮が必要な症状など

目がかすんで見える方や、視野の一部分に見えない部分をお持ちの方、視力が極度に低下した方など、症状は個人によってさまざまです。
「網膜」の病状によっては、眼球の柔軟さが失われて激しい痛みを伴う方もおられます。
病状が進行した方の中には、失明された方も含まれるかもしれません。

視力の低下に対しての配慮は、一般的なロービジョン配慮に準じます。
パソコンの設定によってブライトネス(明るさ)やコントラスト(明暗)、文字の色や文字の大きさを調整することが最初の一歩となるかと思います。

失明されている方への配慮としては、音声読み上げ機能の使用や点字デバイスの導入などが考えられます。
また移動の制限がありますので、手すりや点字誘導ブロックなどの設置も配慮としては含まれる可能性があるでしょう。

「視覚障害」とは無関係になりますが、「糖尿病」をお持ちの方への配慮も同時に必要となります。

血糖値のコントロールが上手くいかなくなることは、「視覚障害」を進行させるリスクだけではなく、心臓や脳といった血管へのダメージを負うリスクに繋がります。
命にかかわる病気を引き起こすことに繋がりますので、たとえば飲食を伴う場面(接待や忘年会など)では、決して無理な飲食を強要してはなりません。

仕事をする上で本人が気を付けておくこと

ご自身の「視覚障害」がどのような症状であるかを、細かく伝えることが大切になります。
視力の低下がどの程度なのか、視野の狭窄はあるのか、かすみ目の程度など、症状によって会社側が配慮する範囲も変わってきます。

また、緑内障の症状が出ている場合や、網膜剥離の症状がある場合には、その症状がどの程度のものなのかを伝えることも重要です。
それには痛みを伴うのか、休憩時間を増やすべきなのか、業務転換が必要なのか……。

会社が行うことのできる配慮を、しっかりとカスタマイズするためには必要な情報となります。

会社で働く以上、どうしても飲食の場を避けることができない場面もあると思います。
そうした場においても、ご自身の糖尿病はしっかりと管理する必要があることを念頭に入れておきましょう。

医師からの指導をしっかりと守り、禁酒を伝えられているならば酒を飲まないことが大切です。
同じく暴飲暴食をすることは、ご自身の健康だけではなく会社の配慮をも損なってしまう可能性があります。

しっかりと糖尿病を管理して可能な限り症状を安定させることが、長く仕事を続けるためには重要だと思います。

 

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