皆さんは、セミナーとかで「ダイバーシティ」という言葉を聞かれると思います。
ダイバーシティ(Diversity)とは、多様性のこと。様々なタイプの人材を活用して会社の成長に繋げようとする考えのことです。
では「インクルージョン」は聞かれたことがあるでしょうか?
目次
「インクルージョン」って何?
「インクルージョン」とは?
「インクルージョン」とは、「多様な価値観をお互いに認め合いながら、一体感を持って働いている状態」です。
つまり、「インクルージョン」の対象は「組織に属する人々の属性」であることを察することができるでしょう。
「属性」とは、例えば「性別」、「国籍」、「障害の有無」、性的嗜好の「LGBT」、「介護対象の有無」、「世代」などを指します。
「インクルージョン」が重要な理由とは?
これらの多様な属性の違いを確認し合うだけでなく、「認め合い、一体感を持って働く」必要性がそもそもあるのでしょうか。
例えば、「世代」が異なることを確認し合っても、何も話が進みません。
「若い世代」と「高齢の世代」とでは、価値観が異なっていることは、或るテーマについて話し合いをしたら、直ぐに確認し会うことができると思います。
この状態のままでは、どちらの世代が妥協しない限りは、話し合いの結論は出ません。
例えば、「DX化」について話し合いがなされた場合を想定してみて下さい。
「若い世代」にしてみては、「DX化」は当たり前のことだし、「DX化」がなされた先のことも想像することも難しくないでしょう。
「高齢の世代」の方々が全員ということはないでしょうが、私の体験から申し上げると、そもそも「DX化」の意味も理解していない、「DX化とIT化」の違いも分からない、「DX化」の必要性も理解できない、そして「何故、今なのか?」ということも存じ上げなくても、高圧的な態度で「DX化」への反対意見を言っていることがあります。
つまり「DX化」についての情報収集すらしていない場合がある訳です。人間だしも興味関心がなければ、そのことについて情報収集すらしません。この傾向は、「高齢の世代」だけでなく、「若い世代」についても同じはずです。
これでは、そもそも前向きな結論に至る訳がありません。変化が乏しい時代ならそれでも良かったかもしれませんが、今は変化がとてつもなく早い時代です。自分達が意図していなくても、社会変化に対応する組織としての活動方針等が決まらなければ「茹でガエル」になってしまいます。
このことからも、今ほど「インクルージョン」が重要な理由をご理解して頂けたのではないでしょうか。
「インクルージョン」と「ダイバーシティ」との違いは?
「ダイバーシティ」は、「多様な個性、背景を持つ人材を積極的に採用し、組織にさまざまな人材が存在している」こと。
「インクルージョン」は、「ダイバーシティ」の状態から更に「互いに個性を認め、受け入れ合い、一体となって働く」ことを指しています。
「インクルージョン」導入のメリット&デメリット
■「インクルージョン」導入のメリット
「インクルージョン」されている組織では、下記のようなメリットがあります。
(1)「従業員の生産性の向上」
多様な属性、個性、強みを理解し、これらをどう活かしたらより価値的かを考えながら仕事をしていけば、「生産性」が高まっていくことが想像できます。
(2)「離職率の改善」
自分の個性や強みなど理解し、これらを活かす為に働きやすい環境を作ってくれる組織であればあるほど、その組織・職場は大きな魅力となり、「離職率」が改善されます。
(3)「人材獲得競争でのアドバンテージ」
従業員の多様性を認め、活かすことを考えてくれる組織には多くの応募者が関心を持ちます。労働人口が減少していく情勢下ではライバル企業と大きな差別化にもつながります。
■「インクルージョン」導入のデメリット
(1)「古い価値観からの反発」
先述の私の体験のように、古い価値観からの反発があります。「インクルージョン」を別の表現をすると、「自分の価値に固執することなく、別の価値観を受けれていく、組織総体を進化させていくこと」です。要は、全部が全部でなくても古い価値観を否定することでもあるからです。
(2)「制度・ルールの整備」の必要性
今までとは異なる仕事の仕方を導入していくことになる「DX化」であれば、「高齢の世代」の方々にどのような活躍の場を作っていくのかを設計する必要もあります。
「高齢の世代」だけでなく、「妊娠した女性」や「障害を持っている方」等も組織に在籍していればいる程、多様性があればあるほど、同一の制度やルールだけでは対応できないのが現実です。
その為、社内の制度やルールの整備の必要が急務となる。
「インクルージョン」導入のポイントと注意点
「インクルージョン」導入のポイントは、下記のにまとめてみます。
(1)「インクルージョン導入」の価値を共有する
①何故、自社で「インクルージョン」を導入するのか
②いつまでに何を実現することを目指すのか
③どのような状態が「インクルージョン」導入出来ていると判断できるのか
組織内の各々が、具体的かつ測定可能なものとして「インクルージョン」を認知し合えるようにする。
(2)組織の現状把握をする
組織は、水物である為、一時だけで「インクルージョン」ができているかどうかを判断するものではありません。その為、次のようなことを常時把握していることが必要と思われます。
①多様な人材活用が出来ているかどうか
②自社で働く上で自信の個性を発揮できている感覚があるか
③特定の属性・個人が不利な状態になっていないか
これを把握する為に、組織によっては面談やアンケート調査など実施する必要もあるかもしれません。
(3)「インクルージョン」の進捗を共有する
導入後は「インクルージョン」の責任職を設け、導入計画に向けた進捗を発信するようにする。そのことによって「インクルージョン」が進んでいることを感じて貰えいやすくする。
「インクルージョン」導入の注意点
(1)数字だけでは測れないものがある
例えば、異なる属性の人びとが、どの程度働いており、会社の業績も良いという状況であれば、「インクルージョン」は上手にいっていると判断されると思います。
ですが、組織は水物ですから、常時変化していくことを忘れないにしましょう。
(2)「インクルージョン」導入している自社の価値を確認し続ける
一時の「インクルージョン」導入の成功体験が、一つの属性の固執を呼ぶ場合が有り得ます。当初考えていた「インクルージョン」導入を決定した理由、価値観を認識し続けることが必要になります。
ま と め
これから個々人の個性、価値観、強みが益々尊重し、活かしていく時代になっていきます。。だからこそ、「インクルージョン」されているかどうかは当たり前の時代が来ると思って取組む努力をしていきたいとものです。
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