【マネジメント:第一の機能】は「事業のマネジメント」である!

マネジメントにとって第一の機能は、事業のマネジメントである。しかし、この当然の命題から導かれるいくつかの結論は、決して自明のことではない。一般に受け入れられていることでもない。この命題は、マネジメントと経営管理者に対し、活動範囲を厳しく限定するとともに、創造的な行動への大きな責任を課す。

この命題が導く結論は、事業のマネジメントにかかわる技能や能力や経験は、そのままでは事業体以外の機関の運営には適用できないということである。 事業での成功は、政府機関での成功を保証することも、約束することもできない。事業におけるマネジメントの経歴は、それだけでは政治家になるために準備とはならない。軍や教会や大学におけるリーダーシップの準備ともならない。

マネジメントの技能、能力、経験のうち、事業体以外の組織に共通し、したがって適用が可能なものは分析と管理だけである。しかしこれらのいずれも、重要ではあっても、事業体以外の組織の主たる目的の達成にとっては、二義的であるにすぎない。(「現代の経営」P.F.ドラッカー)

『次の結論は、マネジメントは厳密な意味における科学とはなりえないとうことである。確かにマネジメントの仕事は、体系的に分析し分類することができる。つまりマネジメントには、特有の科学的、専門的側面がある。』(「現代の経営」P.F.ドラッカー)と一見「科学」として取り扱っても良いかのような表現をするが、その後、

『マネジメントは「実務」であり、新しい経済をつくる責任がある。』(「現代の経営」P.F.ドラッカー)としている。

マネジメントは、経済を自らつくるもの

科学かどうか、という論点はもしかたら「ストレングスファインダー」の「分析思考」と「戦略思考」の違いに似ているかもしれない。