リーダーシップは、企業戦略において特に重要である。
しかもリーダーシップ上の地位は、確固たるものたりえない。
業績をあげる場たる市場や、資源たる知識は、誰の専有物でもない。
したがって、いかなるリーダーシップも、一時的な優位性にすぎない。
物理の世界と同じように、企業の世界においても、エネルギーは常に拡散する。
企業は、リーダー的な地位から、その他大勢の地位に簡単に落ち込む。
そして、その他大勢であるということは、限界的存在へと落ち込む道を四分の三まで来てしまったことを意味する。
業績も、利益どころか、せいぜい手数料並みとなる。
能力があるだけでは、それが精一杯である。
そのような落ち込みから脱出することが、エグゼクティブの責務である。
そのためには、事業の焦点を、問題の解決ではなく、機会に合わせなければならない。
リーダーシップを再創造しえ、その他大勢への落ち込みから反騰しなければならない。
惰力に代えて、新しいエネルギーと方向性をてにしなければならない。
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