そしていかなる企業にも、推進すべき優先的領域でもなければ、廃棄すべき優先的領域でもないという、製品やサービス、活動や努力がある。
第三の領域としての無数の平凡なるものである。
(1)今日の主力製品。しばしば生産的特殊製品。
(2)コストが大きく、不釣り合いなほどの努力によってしか節減できないコストセンター。
(3)手直し製品、すなわち、なんらかの大きな変更や修正を加えるならば、価値あるものとなりうる製品、サービス、市場。
これら平凡なものに関する原則は、機会の領域を犠牲にして資源を使ってはならないということである。
機会の領域が必要とする支援を与えられたのちにおいて、資源に余剰があったときにのみ、それら平凡なものに対する考慮を払うべきである。
一流の資源が、すでにそれらの平凡なものに割り当てられているときには、それらの資源が機会の領域においてさらに大きな貢献を行なえないときにのみ、そのままそこにとどめるべきである。
実際には、それら平凡なるものに対し、資源を追加すべきことは稀である。
通常、それら平凡なるもののうち、その使用している資源に値するものは、生産的特殊製品だけである。
その他の平凡なるものは、ほとんど常に、ほかのところで使えばさらに生産的となる資源を浪費してしまっている。
したがって、それら平凡なるものは、現在もっている資源、ないしは、より少ない資源ですまさなければならない。
すなわち乳を搾り取られる立場に置くべきである。成果を生むかぎり生かされ、乳を搾り取られる。
しかし育てる必要はない。そしてそれらの乳牛は、急激に衰え始めるや殺される。
(創造する経営者、P.F.ドラッカー)