世界において、彼ら(GMやジーメンスやエジソンやロスチャイルド家)にリーダー的な地位を与えたのは、時代と環境がもたらしてくれた機会に自らの能力を適用するうえで、彼らが使った体系的なアプローチである。
これら三つのアプローチには、共通するものが一つある。
それは強みを生かすということである。
問題ではなく、機会を求めるということである。
避けるべき危険ではなく、実現すべき成果に重点を置いたということである。
実は、この三つのアプローチは、相互に補完的である。
それぞれのアプローチが、それぞれの機能と目的をもっている。
これらのアプローチを総合して利用することにより、本書で述べてきた分析による洞察を効果的な行動へと変えることができる。
すなわち、第一に、理想企業の設計によって、業績への方向性を決定することができる。
基本的な目標を設定することができる。さらには成果を評価するための基準を設定することができる。
第二に、機会を最大化によって、昨日の企業を今日の企業へと変え、明日のための挑戦に対する準備を行うことができる。
現在の活動のうち、何を推進し、何を放棄すべきかを知ることができる。
さらには、市場における成果や、知識を増大させるものが何であるかを明らかにすることができる。
そして第三に、資源の最大化によって、事業についての分析結果を行動に移すことができる。
資源を優先度の高いものに集中することによって、最大の成果をあげることができる。
(創造する経営者、P.F.ドラッカー)