現在行っていることの解釈よりも重要なことは、当然行っているべきであるにもかかわらず、まだ行っていないものの発見である。
ここにおいても、マーケティング分析と知識分析は、事業そのものについての診断に重ねられることによって、何が欠けているかを明らかにしてくれる。
製品、市場、流通チャネルなど、成果をもたらす領域には、常に、三つの種類の欠けたものがある。
それらは、あらゆる企業に欠けていると言ってよい。
まず一つ目の欠けているものは、全盛期を過ぎたものに代わるべきものを開発する努力である。
製品についてだけではない。市場、最終用途、流通チャネルについても言える。
二つ目の欠けているものは、機会と成功のための支援である。
製品やその提供の仕方を変えたときには、流通チャネルを徹底的にチェックしなければならない。
流通チャネルが変わったときには、必ず、製品、製品ライン、顧客、市場、最終用途をチェックしなければならない。
マーケティング分析と知識分析という企業外部からの分析は、三つ目の欠けたものとして、知識に対する新しいニーズと機会を明らかにしてくれる。
第一に「本当に重要な新しい知識として何を取得する必要があるか」であり、
第二に「現在の中核的な知識の何を向上させ、最新のものとし、進歩を図る必要があるか」であり、
第三に「わが社の知識のどこに再定義の必要があるか」を明らかにしてくれる。
ほとんどの場合、このうち最初の二つの問いの重要性については明らかである。
通常、見落とされるのは、第三の問いの重要性である。
しかし、これは最も重要である。
(創造する経営者、P.F.ドラッカー)