「孫子の兵法」における「陰陽の二元論」の活用法は?

「孫子の兵法」計篇には、他国と比較する「五事七計」というワークフローがあります。

この「五事七計」の1つである「天」

孫子は「天とは、陰陽(いんよう)、寒暑(かんしょ)、時制(じせい)なり」と言っていますが、あまり馴染めがない「陰陽」について少し言及したいと思います。

<陰陽の法則>

陰陽思想は、中国の古代哲学で、万物が二元的な陰と陽に分けられると考えられています。この考え方は、自然や人間関係など、あらゆるものに適用されるとされています。

第一定式は、社会や会社組織、人間関係、生物や無生物など、あらゆるものが陰と陽がお互いに依存しながら対立しているということを示しています。この対立関係の中で、陰と陽が統一体として形成されているとされています。

第二定式は、陰陽の中に陰陽があるということを示しています。つまり、陰陽は単なる二元論ではなく、複雑な相互作用の中で構成されているということを示しています。

第三定式は、陰陽が拮抗協力して働き合っているが、その場合、依存協力が主要な関係にある場合と、対立拮抗が主要な関係にある場合とに大別できるということを示しています。つまり、陰陽の関係には様々な「質」があり、それによって関係の性質が異なることを示しています。

第四定式は、陰陽の「量的関係」に関することを示しています。陰陽は、相対的なものであり、両者をプラスにした100%で統一を形成しているが、相互の割合は変化することを示しています。

最後の第五定式は、陰極まれば陽となり、陽極まれば陰となるということを示しています。つまり、ある限界点に達すると、陰と陽は相互に変化するということを示しています。この考え方は、自然界や人間関係にも適用されるとされています。

孫子の兵法への適用するには

組織は成長するほど、特に成長するほど、組織に働く者の関心、努力・能力は、組織の中のことで占領され、外の世界における本来の任務と成果が忘れられていく。(「プロフェッショナルの条件」P・F・ドラッカー)

いかなる組織において、内外的な状況が変わらないことはありません。対外的に成功した場合、逆に体内的な問題を抱える場合があります。

競争優位である競合企業であったとしても、必ず起きる変化への対応が予防的に活動していることは稀なので、その隙をつく。これが「孫子の兵法」で「二元論」の活用する基本戦略の方針です。

社会変化が激しい環境であれば、変化に対応する、しない、できないかぐらいはハッキリします。それは一会社組織だけでなく、業界としても同様です。ですが、更にどのようなタイミングで、どう変わっていくのかは神様、仏様でもなければ、そこまでは解りません。

ですが、どのような傾向のことが、どのタイミングに起こる可能性があるぐらいのことは統計的に解るようです。ここではその説明をしませんがご興味がある方は是非調べてみて下さい。