故に、之を経るに五事を以てし、之を校ぶるに計を以てして、其の情を索む。

≪通解≫

だから(国家の安全保障を考えた上での)「之れ(軍事力」を考えると、「五事七計」をもって比べることで、求めることができる。



≪解説≫

「(国家の安全保障の面で考えなければならない)之(これ)」とは、「軍事力」を指す。

つまり自国と他国の「軍事力」を「五事七計」で計ることができる。



「一局面の戦いに勝つ」ことと「戦争事体に勝つ」ことは次元が異なる問題である場合があること。

ここでは、そういうことを含めた「軍事力」と考えた方が良いと思われます。

例)「項羽は、劉邦に72回勝ったが、最後の垓下の戦いの敗北で負けが決定してしまった。」





※「軍事力」とは、

軍事力(ぐんじりょく、英: military strength, military power)とは、軍事的な能力のことであり、国家やそれに類する集団が、内外の対象に対して、実力行使ができる能力を言う。

武力 (Armed force)、防衛力 (Defense potential)、戦争能力 (War potential) とも呼ばれるが、ここでの表記は軍事力で統一する。

軍事力の行使は、直接的には軍隊・準軍事組織(民間軍事会社含む)・民兵組織などによって行われる。しかし、現代の戦争や安全保障は総力戦の形態をとっており、動員可能な人口、経済力、技術力、外交力などの総合的な国力に基づく潜在的な軍事力も重要な要素となる。国家の軍事力は現代においても国力の重要な要素の一つとみなされており、政治的な目的達成、国益の保護のための最終的な手段として現代でも重視されている。

警察は国内の治安維持を目的として軍隊から分化した組織であるため、軍事力の枠外とみなされることも多いが、究極的には社会の秩序を保つことで国家の権益を守る実力組織である。現代ではテロリズムなどの非対称戦争・低強度紛争の増加により、軍事力と警察力の境界が再び曖昧になってきている。

引用元:軍事力