「孫子の兵法」地形篇②

本文

『以て往く可きも、以て返り難きを挂(けい)と曰う。挂(けい)なる形には、敵に備え無ければ、出でて之に勝ち。敵に若し備え有れば、出づるも勝たず。以て返り難くして不利なり。』(「孫子の兵法」地形篇)

行くことは簡単でも、引き返すことが難しいのが「挂形(けいけい)」という。敵に備えがなければ勝てるが、備えがあれば、勝つことは難しい。引き返すこともむずしく不利である。

⇒ この表現だけど、具体的にどのような「地形」を指しているのか曖昧です。挂とは、途中で「引っ掛かり」があるとの意。つまり、「障害物」がある地形という意味なのでしょう。

組織の規模が大きければ大きいほど、このような地形では断然不利になります。ましてや、敵に備えがあれば尚更。障害物を利用して罠をしかけることも可能な訳ですから。

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「孫子の兵法」

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七篇 : 軍争篇

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