故に、用兵の法は、十なれば則ち之を囲む。五なれば則ち之を攻む。倍すれば則ち之を分かつ。敵すれば則ち能く之と戦う。少なければ則ち能く之を逃る。若かざれば則ち能く之を避く。故に、小敵の堅なるは大敵の擒なり。

故に、用兵の法は、十なれば則ち之を囲む。五なれば則ち之を攻む。倍すれば則ち之を分かつ。敵すれば則ち能く之と戦う。少なければ則ち能く之を逃る。若かざれば則ち能く之を避く。故に、小敵の堅(かたき)なるは大敵の擒(とりこ)なり。』(孫子の兵法 謀攻編)

<通解>

兵法の原則では、敵の味方の兵力差が十倍である場合には包囲戦をしてもよい。すなわち、もし圧倒的な兵力差がない場合には、城砦(じょうさい)を包囲して攻撃するメリットより、リスクの方が大きいと判断しなければならない。

もし兵力差が五倍ほどならば、敵軍を野戦で包囲殲滅する攻撃が可能になるから、敵軍に隙を与えることなく、直ちに決戦をすべきである。

兵力差が二倍ぐらいであれば、軍を二つに分けて、正攻法と奇襲法を両用して、敵軍を思いのままの術策で引きずまわす。

兵力差が同等に匹敵していたら、味方に有利にな地形や状況に奇策を用いて敵軍を誘導し、その優位差で勝負を決することができる。

兵力差が五倍、十倍と圧倒的に優勢である場合には、敵の主力軍と衝突することを慎重に避けながら、ゲリラ戦法で無防備な要所要所をつぶして、敵国内をパニック状態に陥られるような戦い方しかできない。

兵力にふさわしい戦い方、戦術を選択すれば、どんなに兵力差が劣勢でもとにかく戦うことはできる。逆に劣勢なのに無理な戦術をとれば、全軍の空中分解は必至である。故に『小敵は堅きは、大敵の擒(とりこ)なり』という。団結力、集中力、精神力、攻撃力、防衛力ともに優秀な軍隊であっても、兵力にふさわしくない無理な戦術をとっていたら、更に強大な敵に遭遇した場合、簡単に包囲されて、降伏する間もなく殲滅されてしまうのである。



説 明

戦力差で「戦術」が決定する、ということでしょう。

この決定された「戦術」と、自身の得意な仕事の仕方との折り合いをどうつけるか、という問題があります。

自分自身の強みや弱みを理解した上で、戦力差で決定される「戦術」を如何に最善のものとすることができるか。



→規模によるマネジメント