社交不安障がい(対人恐怖症)について知っていますか?社交不安障がを持つ従業員への対応ポイントとは?

■社交不安障がいとは?

社交不安障がいは人と関わる場面で強い不安を感じ、日常生活に支障が出る病気です。
社会不安症・あがり症・対人恐怖症と呼ばれることもあります。
性格と混同されることもありますが、社交不安障がいでは以下の症状があらわれます。

・精神症状:他人との交流や人前での行為で極度の不安・恐怖・緊張
・身体症状:赤面・発汗・ふるえ・動悸・呼吸困難・腹痛

社会不安障がいを持つ人が不安を回避するため他人と接触を避けるようになると、他人と接する際にもっと強い不安を感じる悪循環に陥ります。
症状が進行すると「他の従業員と関わることができない」「職場に行けない」「家から出られない」など、仕事や生活に支障をきたす場面が出てきます。

■社交不安障がいを抱える従業員にとって困難な業務を把握する

社交不安障がいの具体的な症状や症状が出る場面は人によって異なります。
障がいを持つ従業員が「どういった場面」で「どんな症状が出るのか」把握すると、本人や周囲への負担を減らすことができます。
以下に社交不安障がいを持つ方が困難に感じる場面の事例を紹介します。

・プレゼンテーション

同僚や上司、取引相手に注視されながら説明することに強い緊張や不安を感じます。
唇がふるえる、言葉が出なくなるという経験から、周囲の目を気にしてしまうのです。
手足のふるえ、赤面や発汗をともなう場合もあります。

・会議

他の参加者に見られことに強い緊張や不安を感じます。
進行や発言ではさらなる緊張状態になり、ふるえや赤面など身体症状があらわれる場合もあります。

・電話対応

顔が見えない相手と会話することに不安を感じます。
スムーズに受け答えできない、声がふるえるなどの症状によって電話の相手に変に思われないか気になり、悪化すると喋れない状態になります。
職場で電話に出ることを不安に感じる方もいます。

・休憩時間

「従業員の輪にうまく入れない」「同僚にどう思われているか気になる」といった気持ちが不安や緊張につながります。
昼休みが近付くにつれ腹痛が起こったり、動悸がしたりして、休憩時間を苦痛に感じます。

・電車通勤

電車など特定の空間で症状が出ることがあります。
会社で他人と関わるのを恐れるあまり、電車に乗ると吐き気や動悸がするのです。
激しいめまいを感じたり息苦しくなったりするパニック障害を併発する可能性もあります。

症状があらわれる場面では配慮が必要です。
しかし、治療によって症状が安定すれば、障がいを持たない従業員と同じように働くこともできます。
本人が把握する症状をヒアリングし、働きやすい環境を作ることが必要です。

 

■社交不安障がいを抱える従業員への配慮

・適切な配置や業務内容にする

社交不安障がいの症状が出る場面を本人からヒアリングし、担当業務が適性か確認しましょう。
場合によっては配置換えや、別の業務に従事してもらったほうが本人や周囲にとって負担のない環境になります。
たとえば、営業職の社員が取引先とのやりとりに不安を抱えている場合。
経験を活かした営業事務やアシスタントに転向したほうが業務効率が上がる可能性があります。

・障がいに対して周囲が理解をしめす

社交不安障がいは人と関わる場面で強い不安を感じる障がいです。
周囲の理解がおよばないと、さらに症状が悪化します。
周囲が本人の「症状が出る場面」や「どのような症状が出るのか」理解し、受け入れることで症状の軽減につながります。
通院や休暇が必要になる場合もありますので、福利厚生制度の利用や勤務形態の調整を視野に入れ、柔軟に対応しましょう。

 

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